災害復興・災害支援事業への取り組み
(1)災害復興まちづくり支援機構への参画
中小企業診断士の行う社会貢献活動の1つに「災害復興まちづくり支援機構」への参画があります。
災害復興まちづくり⽀援機構は、⼤地震等による被災後の復興まちづくり⽀援を⽬的として、2004年(平成16年)に、都内の士業団体等が集まって設⽴した団体です。現在、17士業団体を中心に構成されており、当協会も構成団体の一つとして活動に参画しています。
設立当初から、住民、各種専門家職能団体および研究者、行政等とのネットワークを構築し、災害対策の調査・研究・研修・啓蒙といった活動を行ってきました。
2007年(平成19年)には東京都と「復興まちづくりの⽀援に関する協定」を締結し、この協定により当⽀援機構を軸として、⼤規模災害時は元より平常時における関係諸機関との連携活動等を実施することとしています。この協定にもとづき、2007年(平成19年)から毎年、東京都と共催で復興シンポジウムを開催しており、2023年(平成5年)8月度の開催で、第16回目を迎えることになります。
また、災害復興まちづくり⽀援機構は、これまで、東日本大震災や熊本地震等の被災地復興支援、「首都防災ウィーク」をはじめ都内防災イベントへの参加や相談会開催等、幅広い活動を行っています。
<災害復興シンポジウム(2022年7月15日)>

<碁石地区復興まちづくり協議会(2012年6月23日)>

(2)災害復興まちづくり支援機構と連携した当協会の活動
東京協会は、支援機構に属する各士業と連携して、中越地震や阪神大震災や三宅島噴火や東日本大震災や熊本大地震や東日本豪雨災害等においても、無料相談会への会員派遣や産業復興に関わる施策活用のため、積極的かつ継続的な支援活動を行ってきました。
特に、東日本大震災の被災地である大船渡市碁石地区や細浦地区においては、大船渡市や千葉大学齋藤研究室をはじめとする諸団体と連携し、碁石海岸で囲碁祭り等を通じた観光振興等の支援活動を現在も継続的に行っています。
<第5回碁石祭り開会式での大船渡市長挨拶(2018年5月13日)>

<細浦地区朝市での支援の様子(2022年12月26日)>

令和8年7月31日(金)、東京都議会議事堂1階の都民ホールにて、「第19回復興まちづくりシンポジウム」(主催:災害復興まちづくり支援機構、共催:東京都)が開催されました。
当協会(東京都中小企業診断士協会)は本機構の正会員団体であり、今回は幹事会として実行委員会をリードし、盛況のうちに終了いたしました。当日のレポートをお届けします。
開催概要
| 日時 |
令和8年7月31日(金) |
| 場所 |
東京都議会議事堂1階 都民ホール |
| 主催 |
災害復興まちづくり支援機構 |
| 共催 |
東京都 |
| 当協会の役割 |
幹事会・実行委員会(社会貢献事業推進部 7名が主体となって企画・運営) |
| テーマ |
~わたしたちに必要な地震後の行動を考える-発生直後から生活再建まで~ |
| 参加者数 |
約212名(会場約100名、YouTube配信112名) |
実行委員長として開会挨拶を行う山本祐一郎会長
プログラムと講演レポート
■ 第一部:基調講演
「災害への備え、復興への備えを俯瞰する」
講師:加藤 孝明 氏(東京大学教授)
講演では、特に以下の3点が印象的でした。
- 全体像の俯瞰と事前対策:予防から応急、復旧・復興までの全体像を把握し、瓦礫置き場や仮設住宅用地の不足といった復興の「落とし穴」を平時から想定・除去する重要性。
- 縦割りシステムの補正:高度化した縦割り・自立分散型防災システムの限界を補う「俯瞰力・コーディネート力・構想力」の必要性。
- 適切な復興(先取り適応):成熟・斜陽社会においては、単に元に戻す「円滑かつ速やかな復興」ではなく、未来の変化を見据えた時代適応を図る「適切な復興」が問われる点。
全体を俯瞰しながら関係者のコーディネートを行い、それぞれの状況に応じた復興を描くアプローチは、私たち中小企業診断士が日頃行っている経営支援や地域活性化の思考と非常に強く重なると実感しました。
■ 第二部:パネルディスカッション
「災害発生直後から生活再建まで―士業連携による都民への支援を考える」
弁護士、社会福祉士、建築士、司法書士、土地家屋調査士、社会保険労務士の各パネリストより、初動期から復興期までの各局面で果たせる役割について語っていただきました。また、台風被害を受けた八丈町での士業連携無料相談会の実践報告も行われました。
発災直後から復興期に至る各局面において、一士業で完結する課題は皆無であり、士業連携の本質は「専門外の課題を適切な専門家へつなぐこと」と「ワンストップで多角的に相談に応じること」の2点に集約されます。パネリストからは、事業再建やまちづくり、災害関連補助金・助成金の活用相談において「中小企業診断士との連携が不可欠である」との声が繰り返し挙がり、その期待の重さを再認識いたしました。
閉会にあたり、中林 一樹代表委員は被災者復興とまちづくり復興を一人ひとりの事情に沿って束ねる「災害ケースマネジメント」の重要性を指摘されました。
パネルディスカッションおよび講演の様子
今後の展望
今回、昨年11月の準備委員会立ち上げから13士業をまとめ、テーマ設定から当日運営まで議論・連携する過程そのものが、まさに「連携の実践」となりました。
首都直下地震のみならず各地での地震や豪雨水害など様々な災害が発生しています。本シンポジウムで得た知見と平時からの士業ネットワークを最大限に活かし、被災者・事業者の生活・事業再建に貢献できるよう、今後も中小企業診断士として活動を推進してまいります。
問い合わせ