一般社団法人 中小企業診断協会
会長 米田 英二
新年明けましておめでとうございます。
2年続きで迎えるコロナ禍の新春ではありますが、東京協会の会員の皆様におかれましては、健やかに新春をお迎えのことと思います。改めて、旧年中に賜りました連合会事業へのご協力に対して、感謝申し上げます。
また、昨今は新規感染者数・重症者数ともに、全国的に驚くほど減少しているものの、ウイルスの変異による第6波の到来も懸念されております。引き続き、感染予防にはくれぐれもご留意いただくようお願いいたします。
現在、日本の多くの中小企業・小規模事業者が、引き続き深刻な局面に立たされていることはご承知のとおりです。長期にわたり時短や休業を強いられてきた飲食業をはじめ、宿泊・観光などの接触型産業の需要回復には、時間を要するものと見込まれております。多くの中小企業・小規模事業者が事業構造改革を余儀なくされるとともに、テレワークやデジタル・シフトなどで日本の産業構造が大きく変わる可能性があります。
私ども中小企業診断士の社会的な使命は、中小企業・小規模事業者に対して的確な経営改善計画を策定し、その実行支援を通じて日本経済の発展に寄与することです。日本経済を活性化させる原動力は中小企業であり、日本の雇用の約7割を占め、高齢者雇用の受け皿としての役割も果たす中小企業の衰退は、国民生活を揺るがす大問題です。今こそ中小企業診断士の力量が問われております。
コロナ禍の中で多様化する中小企業・小規模事業者の課題対応について、事業承継をはじめ、デジタル・シフトによる生産性向上、働き方改革および強靭化などについても、幅広い知識と能力を有する中小企業診断士に対する期待がますます高まっております。この期待に応えていくためには、中小企業診断士一人ひとりのいっそうの自己研鑽が求められます。
当協会としては、中小企業診断士のブランディングに引き続き注力するとともに、組織的に会員中小企業診断士の資質と能力開発の機会を増やし、将来に向けて地道に人材育成を図っていく所存です。「高い志を持って、小さなことをコツコツと、久しく積み重ねることこそが新しい道を切り開き、自らを偉大な高みに押し上げていく唯一の道である」と申します。この古今不変の鉄則をしっかりと心に刻み、中小企業診断士一人ひとりが自己研鑽を積み重ねていくことを強く期待したいと思います。
今年の干支は「壬寅(みずのえ とら)」。厳しい冬を越え、新たな芽が吹き始め、次なる成長の礎となる年とのことです。新型コロナウイルスを克服し、日本の将来の礎を築く年となることを心より願っております。
それでは、本年の皆様方のご多幸とますますのご健勝、ご活躍を心から祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。