DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)で中小企業の売上を上げる!

DRM研究会
代表 小泉 悟志

Ⅰ.はじめに
公的な資格がたくさんありそれぞれ士業には、役割があります。税理士ならお金にまつわる相談、社会保険労務士なら社会保険や労働問題に関する相談、弁護士ならさまざまな紛争や契約書の相談など。しかしながら中小企業の一番の課題である、営業力・販売力の強化においては、専門の士業はありません。だからこそ、私たち中小企業診断士がそのポジションを担うべきだと考えてDRM研究会を設立しました。
DRMとは、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの略で、効果・結果がわかる販促手法のことを言います。具体的には、健康食品など通販のチラシで「このチラシをみてお電話いただいた方は半額」など、具体的に効果が図れる広告のことです。
みなさんがTVで見る日産のCM「やっちゃえ日産」、JRのCM「そうだ京都に行こう」などは、直接商品を売るのではなく企業のイメージを植えつけてブランド価値を向上させるものであり、それとは以下のように対比されます。

私たちが支援している中小企業は、広告予算が限られており効果検証ができるDRMが求められています。

Ⅱ.DRMの全体像
DRMはただキャッチコピーをつくったりするだけではありません。その商品・サービスを知ることからはじまり、全体像は図の通りとなります。

1.フラッグ・マーケティング
DRMを実践するためには、いきなりキャッチコピーをつくったりするのではなく、まず個人や会社の歴史をさかのぼり、その商品・サービスが他の商品・サービスとどう違うのか、誰をターゲットにするのかなどを、図の流れで行うことで、「どこにフラッグを立てるか」を探して行きます。

2-1.キャッチコピー
チラシやWEBサイトにおいて、一番初めに目に飛び込んでくるのがキャッチコピーです。このキャッチコピーで心をつかまないと、その先を見ていただくことはできません。そもそも、広告に対して人は「読まない」「信じない」「行動しない」の3大原則があります。このような人に対して、広告を「読ませて」「信じさせて」「行動させる」には、このつかみがとても重要です。
具体的にキャッチコピーを書くうえで、当研究会では以下の10のパターンにわけてキャッチコピーの作成を行います。
①ニュース ②価格メリット ③コミットメント ④問題解決 ⑤確実性 ⑥常識破壊
⑦サクセス・ストーリー ⑧オリジナリティ ⑨悪夢 ⑩簡単!

全部お伝えできないので、ここでは2つご紹介させていただきます。
②価格メリット:価格を全面にアピールします
「30分以内に申し込めば半額」 「2着目半額」 「1枚頼めば2枚目タダ」
⑨悪夢:人は恐怖に敏感なのでそれをあおります
「あなたが気づかないうちに歯周病は進んでいます」 「もうすぐ台風がやってきます」

このような方法でインパクトのあるキャッチコピーをつくっていきます。

2-2.セールスライティング
キャッチコピーで興味を持ってもらったら、その先を見ていただきます。その時重要なのは、お客様にどうやって信用していただくかであり、そのために信頼獲得の12のテクニックをご紹介します。
①デモンストレーション ②創造的な保証 ③ロジックの説明 ④具体性 ⑤暴露
⑥あなたのせいではない ⑦信じられないことを認める ⑧影響者からの推薦
⑨お客様の声 ⑩欠点を語る ⑪わかりやすい実績 ⑫専門性

全部お伝えできないので、ここでは2つご紹介させていただきます。
②創造的な保証:本当に?というような保証をつけます
「30分以内にピザが届かなければ無料!」
「まずは60日間お使いください。効果がなければ全額返金します」
⑪わかりやすい実績:誰もがイメージできるような実績がある
「7年連続売上1位」 「テレビチャンピオン ラーメン選手権1位」
「有名人○○も使っている」

このように信頼を獲得する方法を使っていきます。

3-1.チラシ(紙媒体)
WEB主流になっている現代においても、新聞折込・ポスティングは、まだまだ効果を上げることができる媒体です。特に年齢の高い方にアプローチするには、新聞折込は有効です。また、新聞をとっていない世帯も多く、その場合はポスティングを利用します。費用は、枚数にもよりますが、だいたい1枚あたり、印刷費3円+新聞折込5円(ポスティングも同程度)=8円程度で利用できます。

3-2.WEB媒体(ホームページ、SNS)
ホームページを作成し、集客を行います。ひと昔前は、ホームページを作ることは専門業者でなければできなく非常に高額でした。最近では、Word Press、Wixなど簡単にだれでも作成できるソフトが無料または格安であります。今一番おすすめなのは「ペライチ」でランディングページが無料で作成できるソフトです。スマホが主流になる世界で、スクロールして下に情報を見ていくことが普通になるため、このランディングページ型がお勧めです。
2時間もあれば自分のホームページができますから、ぜひ、チャレンジしてみてください。

4.リストビルディング
毎回新規のお客様を獲得していく作業は、とても難易度が高く、大変な費用がかかります。そのため、一度購入したお客様をリスト化しておきます。また、購入予備軍のリストを獲得するために、無料キャンペーンやプレゼントなどを実施することで、リストを増やして行きます。このリストが増えれば増えるほど、購買数を上げやすくなります。人は、一度購入したりサービスを受けると、次回以降の購買へのハードルが4分の1程度になると言われています。そのため、リストビルディングが重要になります。

5.結果
チラシやWEBサイトなどの結果を測定して、効果をとりまとめます。
たとえば
チラシ10,000枚で反応10件 反響率0.1%
リスティング広告30,000円でクリック数20件 1クリックあたり1,500円
のように、結果を測定して次回の目安にしていきます。

6.検証・再プランニング
次回さらに反応を上げるために、このフラッグでよかったのか?このプロモーションでよかったのか?キャッチコピーはどうか?など個別に検証を行い、次回以降よりパフォーマンスが得られるようにしていきます。やりっぱなしではなく、これを繰り返していくことで、精度を向上させ、時代に敏感に対応していくことができます。

Ⅲ.事例紹介
実践事例1 環境関連企業のランディングページ作成
埼玉県にある環境関連企業は、今まで県などに対して環境基準の見直しなどによるルールの変更により受注獲得を考えていた。しかしながら、遅々としてすすまない現状を打破するために、直接受注獲得をすることに舵を切り、当研究会に相談をいただきました。
顧客へのヒアリングを行い、以下のステップで進めることとなりました。
①フラッグを決めること
②キャッチコピーを決定すること
③セールスレターを作成すること
④ホームページ(LP)を作成すること
⑤MEO対策の支援を行うこと

参考までに提案内容の一部を掲載します。

現在は、ホームページの閲覧数を上げるようリスティング広告も行っております。
実践事例2 フリーカメラマンのチラシ作成
結婚式場をメインに仕事をしていたフリーのカメラマンから、直接受注できる仕事を増やしていくためにどうしたらよいか当研究会にご相談をいただきました。
そこで、今までの成果を発揮すべく研究会員全員による、キャッチコピーとチラシのコンペを行うことになりました。メンバー全員がキャッチコピーとチラシを作成し、1人3分の持ち時間でプレゼンを行いました。以下は、そのチラシの一例です。
表彰式では、依頼主が選ぶ優秀賞と会員の投票による研究会賞の表彰を行いました。

最後に、DRM研究会の紹介をさせていただきます。「超実践型研究会」であり、外部の企業や個人に対して提案を行い、研究会のノウハウを蓄積して行きます。そのまとめを年に1回1泊2日の合宿で行っております。
また、DRMを利用していただくために、年4回の主催セミナーを行っており、毎回20名程度のご参加をいただき好評を得ております。講師は、会のメンバーが行いますので、講師経験を積めるチャンスもございます。
さらに、DRMの技術を凝縮した「DRM認定講座」を年に2回開催しております。この講座は、3か月で7日間の講座を行い、「フラッグ・マーケッティング」「リストビルディング」「キャッチコピー」「セールスライティング」「チラシの作成」「ホームページ作成」がすべて学べる講座になっております。
ぜひ、ご興味ありましたら、見学参加もできますのでご連絡ください。